スタジオジブリが制作した映画作品の興行収入を、ランキング形式でまとめました。新作公開のたびに必ず映画館に足を運ぶ人も多い、大人気のジブリ作品。人気を反映して興行収入も桁違いです。
歴代映画興行収入ランキングの上位にも、多くのジブリ作品がランクインしています。
この記事では「ジブリ作品興行収入TOP10」をご紹介していますので、気になる作品のランキングをチェックしてみてください。
こんな方におすすめ
- ジブリ作品の興行収入に興味がある人
- 人気が高いジブリ作品を知りたい人
- 家で観る作品を選ぶときに興行収入を参考にしたい人
スタジオジブリとジブリ作品の魅力
人々から長く愛され人気のあるジブリ作品ですが、どのような特徴があるのでしょうか。ジブリ作品の魅力を、改めてご紹介しましょう。
スタジオジブリは、高畑勲・宮崎駿両監督のアニメーション映画の制作を目的に設立されました。分業化が進む日本のアニメ業界の中では珍しく、作画から仕上げや撮影に至るまで、全ての作業を一貫してスタジオ内で行っています。
映画制作に携わるスタッフのほとんどを自社の社員でまかなっており、他のスタジオに比べて人件費がかさむ分制作費が増大します。しかし、良質な作品を作る上では欠かせないことだという理由から、毎年定期的な新人採用をしているのです。子ども向けの作品、というアニメーションのイメージを大きく覆す素晴らしい作品の数々は、一貫した作品づくりの体制と高度な技術を持つ人材から生まれるのでしょう。
海外でも高く評価されている、ジブリ作品。アカデミー賞外国語映画部門の日本代表に選ばれた「平成狸合戦ぽんぽこ」をはじめ、「千と千尋の神隠し」は第52回ベルリン国際映画祭で金熊賞受賞、翌年の第75回アカデミー賞長編アニメーション部門のオスカーを受賞という快挙を達成しています。アニメーション映画の金熊賞受賞は史上初、日本人としては39年ぶりの金熊賞受賞でした。
2004年公開の「ハウルの動く城」は、公開前に第61回ベネチア国際映画祭のコンペ部門に出品され、オゼッラ賞を受賞。翌年の第62回の同映画祭では、宮崎監督の長年にわたる功績に対して「金獅子栄誉賞」が贈呈されました。
その後も、2014年には宮崎駿監督が米国アカデミー協会からアカデミー名誉賞の表彰を受け、第86回から3年連続でジブリ作品がアカデミー賞にノミネートされるなど、長年にわたり世界で高い評価を受け続けています。

世界中の人々を魅了してやまないジブリ作品ですが、その最大の魅力のひとつは完成度の高さと画面の緻密さです。色彩豊かな美しい背景や、個性的に描かれた登場人物は、何度も見返したくなるような魅力があります。
さらに、ジブリ作品の魅力は作中のキャラクターとストーリーにもあるでしょう。ジブリ作品に登場するキャラクターは、普通の女の子から空想上の生き物まで幅広く、独特の世界観を作り出しています。そのキャラクター達が繰り広げる、想像をはるかに超えるファンタジーな世界に、観る人々は一瞬で引き込まれるでしょう。
そして、ジブリ作品が子どものみならず幅広い年齢層の心を掴むのは、その作品に込められた強いメッセージ性によるものなのかもしれません。ジブリ作品のテーマは、常に現代性を意識した設定がしてあります。例えば「平成狸合戦ぽんぽこ」の場合は、観る人にとっては描かれた狸たちの姿が日本人と重なり、戦後50年を振り返るような作品になっているのです。
深いテーマと美しい映像による作品のクオリティの高さが、多くの人に長年愛され続ける理由なのかもしれませんね。
それでは、ジブリ作品の興行収入ランキングTOP10を、カウントダウン形式でみていきましょう。
10位:44.7億円「平成狸合戦ぽんぽこ」

興行収入:44.7億円(配給収入:26.5億円)
公開年:1994年7月16日
脚本・監督:高畑勲
人間による自然破壊で住処を追われそうになるタヌキたちが、一致団結して人間を化かして宅地開発をやめさせようと奮闘するユーモラスなストーリー。
世界最大とも言われるアニメーション映画祭、アヌシー国際アニメーション映画祭長編部門グランプリ受賞作です。
9位:47.6億円「紅の豚」

興行収入:47.6億円(配給収入:28億円)
公開年:1992年7月18日
原作・脚本・監督:宮崎駿
宮崎駿監督が月刊誌で連載していた「宮崎駿雑想ノート」の中のエピソードが原作。第一次大戦後のイタリア・アドレア海を舞台に、空賊相手に賞金稼ぎをする魔法で豚になったパイロットが繰り広げる物語です。
8位:64.8億円「猫の恩返し」

興行収入:64.8億円
公開年:2002年7月20日
原作:柊あおい
監督:森田宏幸
脚本:吉田玲子
1995年公開のジブリ作品「耳をすませば」のスピンオフと言われる作品。下校途中にトラックに轢かれそうだった猫を助けたことから恩返しが始まり、猫の国へ招待されるというファンタジーなストーリーが魅力的な作品です。
7位:76.5億円「ゲド戦記」

興行収入:76.5億円+1.5億円(リバイバル上映分)
公開年:2006年7月29日
原作:アーシュラ・K・ル=グウィン
監督:宮崎吾朗
脚本:宮崎吾朗、丹羽圭子
宮崎駿監督の息子、宮崎吾朗監督の初監督作品。物語の舞台は、魔法使いと竜が存在する世界。住み分けたはずの竜が人間の世界で共食いを始めたり、魔法使いはその力を失ったりと、世の中の均衡が崩れていたところ、主人公の王子が国王の父を刺してしまうことから展開していくストーリーです。
6位:92.5億円「借りぐらしのアリエッティ」

興行収入:92.5億円
公開年:2010年7月17日
原作:メアリー・ノートン
監督:米林広昌
企画・脚本:宮崎駿、丹羽圭子
人間の家や物を借りていきている自分たちの生活を「借りぐらし」と呼んでいる小人と、その借りぐらしの家にやってきた少年の交流を描いたストーリー。人間に見られてはいけない、というルールがある小人のアリエッティが、少年に見つかってしまうところから物語は始まります。
関連記事:借りぐらしのアリエッティのその後は?実は結末が原作と違う?!
5位:120.2億円「風立ちぬ」

興行収入:120.2億円
公開年:2013年7月21日
原作・脚本・監督:宮崎駿
日本が第二次世界大戦で使用した戦闘機「零(ゼロ)」の設計者、堀越二郎さんをモデルにした作品。運命的な出会いと再会を果たした、設計士として夢を追いかける次郎と、病に侵されている菜穂子が恋に落ちる物語です。
4位:155億円「崖の上のポニョ」

興行収入:155億円
公開年:2008年7月19日
原作・脚本・監督:宮崎駿
アンデルセン童話「人魚姫」をモチーフにした、友情と冒険の物語。魚の子であるポニョが、5歳の男の子との出会いにより「人間になりたい」と願い、父の妨害に遭いながらも奮闘する姿を描いたストーリーです。
3位:196億円「ハウルの動く城」

興行収入:196億円
公開年:2004年11月20日
原作:ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
脚本・監督:宮崎駿
第61回ベネチア国際映画祭のコンペ部門オゼッラ賞受賞作品。帽子屋で働く18歳のソフィーは、魔女による呪いで90歳の老婆の姿にされてしまいますが、家を出て放浪している時に現れた魔法使いハウルに出会い、呪いを解くために奮闘する物語です。
関連記事:「ハウルの動く城」の謎を考察!なぜソフィーの年齢は突然変わるのか
2位:193億円「もののけ姫」

興行収入:193億円+8.8億円(リバイバル上映分)
公開年:1997年7月12日
原作・脚本・監督:宮崎駿
宮崎駿監督が長い年月をかけて構想・制作した作品。当時の日本歴代興行収入の記録を塗り替えて1位になりました。室町時代の日本を舞台にした作品。村の少年アシタカが村を襲ったバケモノを退治し、それにより受けた死の呪いを解くために旅に出る物語です。
1位:308億円「千と千尋の神隠し」

興行収入:308億円+8.8億円(リバイバル上映分)
公開年:2001年7月20日
原作・脚本・監督:宮崎駿
第52回ベルリン国際映画祭で金熊賞受賞、第75回アカデミー賞長編アニメーション部門のオスカーを受賞した作品です。トンネルを抜けた先にある不思議な世界に迷い込んだ、主人公の千尋。両親は豚の姿にされてしまい、帰ることもできない状況の中、新しい名前を与えられ銭湯で働くことになった10歳の女の子の物語です。
ジブリ作品の興行収入TOP10をご紹介しました。ジブリ作品の興行収入第2位は「ハウルの動く城」だと思われている方も多いかもしれませんが、2020年6月に「一生に一度は、映画館でジブリを。」をテーマに、「風の谷のナウシカ」「もののけ姫」「千と千尋の神隠し」「ゲド戦記」がリバイバル上映されました。リバイバル上映分の興行収入が上乗せされた影響で、それまで第2位だった「ハウルの動く城」を抜き、「もののけ姫」が第2位にランクアップしたのです。
リバイバル上映は2020年6月から8月の間でしたが8.8億円の興行収入を記録し、ジブリ作品の人気の高さがうかがえますね。当時日本歴代興行収入1位を記録した「千と千尋の神隠し」をはじめ、ご紹介した作品は全て公開年における邦画興行収入第1位の人気作品ばかりです。
関連記事:映画「千と千尋の神隠し」は大人も思わず涙する!あらすじ&見所は?
ワースト1位の作品は…?

スタジオジブリが劇場公開している22作品のうち、2021年公開の「アーヤと魔女」を除く21作品の中でワースト1位の作品は「レッドタートル ある島の物語」です。
「レッドタートル ある島の物語」
興行収入:9400万円
公開年:2016年9月17日
原作・脚本・監督:マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット
脚本:パスカル・フェラン
スタジオジブリが長編映画の制作を打診し、快諾したマイケル監督が日本に滞在しながら制作した作品です。全作品の中ではワースト1位ですが、第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門特別賞や、第44回アニー賞インディペンデント長編アニメーション映画賞を受賞しました。
また、第89回アカデミー賞長編アニメーションにもノミネートされ、海外からも高い評価を得た作品です。
【まとめ】人気の高いジブリ作品を親子で楽しんでは?
ジブリ作品の興行収入を、1位から10位までご紹介しました。
記録的な興行収入からも、人気の高さがうかがえますね。独特の世界観で長年にわたりファンを魅了してきた、スタジオジブリ。このランキングを参考に、これまで観たことがないジブリ作品を親子で楽しんでみてはいかがでしょうか。
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