この記事で紹介するのは、映画「千と千尋の神隠し」の舞台だと言われている場所。異世界に迷い込んだ主人公が成長する過程が、スタジオジブリならではの世界観で描かれており、米国アカデミー賞長編アニメーション映画賞を受賞するなど、評価も人気も高い作品です。この映画は、湯屋や温泉街といった和洋折衷な建物が印象的ですよね。舞台やモデルとなった場所はあるのかどうかが気になる人も多いはず。詳しく解説していきます。
こんな方におすすめ
- 千と千尋の神隠しの世界観に浸りたい人
- 千と千尋の神隠しの舞台となった場所が知りたい人
- 千と千尋の神隠しの舞台上演について気になる人
主人公千尋が働く「湯屋」とはどんな場所?

主人公の千尋が迷い込んだ異世界で働くことになったのは、油屋という名前の架空の湯屋。「八百万の神様達が疲れを癒しに来るお湯屋なんだよ」劇中で湯婆婆がこのように表現しているように、油屋は人間ではなく神様のための場所。油屋に訪れる不思議な姿をしたお客様は、みんな神様なのです。
湯屋のはじまりは、江戸時代までさかのぼります。銭瓶橋付近に伊勢与一が開業したのを皮切りにたくさんの湯屋が作られ、一日の終わりに湯屋で汗を流すのが江戸っ子の習慣になりました。当時は蒸し風呂で、なおかつ混浴と、今イメージする銭湯とは少し異なります。
千と千尋の神隠しのモデルと言われているところはある?

千と千尋の神隠しには、油屋や温泉街など、和洋折衷な雰囲気が目を惹く異世界が舞台。油屋のような温泉旅館でリフレッシュしつつ、その世界観に浸りたいという気持ちに駆られる人も多いのではないでしょうか。モデルとなった旅館が気になるところですが、宮崎駿監督曰く「いくつかの場所や建物が入り混じり、特定のモデルはない」とのこと。
参考にしたと公式に称されている場所もありますが、ここが舞台!とはっきり言える場所はないようです。しかし、物語の舞台となった場所のひとつかもしれないと噂されている、雰囲気が似通った場所は、国内外にあります。いくつかピックアップしてご紹介していきましょう。
【愛媛】日本最古の歴史が油屋に通じる<道後温泉>

愛媛県にある道後温泉は、日本最古の温泉と言われる歴史のある温泉街。シンボルとなっている共同浴場、道後温泉本館が映画の舞台になったということは、美術監督を務めた武重洋二さんが公言しています。
ここがそっくり!という場所はないものの、歴史の重みがそのまま表れているような黒を基調とした木造の重厚感のある造りは、油屋の趣にも通じるものがありますよね。
【長野県】木造4階建ての佇まいは迫力満点<金具屋>

レトロな街並みを持つ渋温泉街に佇む金具屋旅館は、昭和初期からという長い歴史を持つ老舗旅館。古き良き時代を追体験できるような、珍しい場所です。国の登録有形文化財にも認定されている木造4階建の金具屋斉月楼(さいげつろう)の迫力のある佇まいは、どことなく油屋を連想させるのではないでしょうか。
赤が多用された内装も、映画の世界観を連想させる理由のひとつ。夕暮れにはライトアップされ、さらに迫力と趣を感じることができます。
【栃木県】豪華絢爛な吹き抜けに圧倒<あさやホテル>

あさやホテルは、鬼怒川温泉街で最も歴史のある宿泊施設。入り口からはそう大きなホテルに見えませんが、一歩中に入るとロビーの奥に大きな吹き抜けの空間に圧倒されます。川岸の斜面に建てられているため、実はロビーがあるのは建物の6階。
3階から12階までの高さの吹き抜けに、豪華絢爛な油屋の内装を連想する人も多いようです。部屋から眺めながら饅頭を頬張れば、まるで千尋になったような気分が味わえるかもしれません。
【群馬県】赤い橋を望む景色は映画のまま<四万温泉積善館>

四万温泉積善館もモデルのひとつと噂されている場所のひとつ。四万温泉積善館に通じる国道では、映画の主題歌「いつも何度でも」が流れるのだとか。映画の世界観に浸りながらアクセスできるのも、醍醐味です。千と千尋の神隠しで印象的なのは、赤い橋!本館前にある赤い橋とそこからの景色が、映画のワンシーンを思い起こさせます。
元禄の湯がある浴室棟の木造建築も、女中部屋を連想させますね。また、渡り廊下が一部トンネルになっているのですが、ここは異世界へと迷い込むトンネルのようだとも言われているそう。宿がライトアップされた、幻想的な光景も必見です。
【東京都】似ている場所がたくさん<江戸東京たてもの園>

小金井公園の中にある「江戸東京たてもの園」は、都内にあった歴史的建造物を移築、復元し、現代に残す野外博物館。江戸~昭和の世界にタイムスリップしたかのような気分を味わうことができる場所です。ここには、映画にそっくりな場所がたくさん!東ゾーンの一番奥にある子宝湯は、油屋の設定に大きなインスピレーションを与えた場所として、スタジオジブリも公言しています。
また、同じく東ゾーンにある武居三省堂は、油屋で働く釜爺の仕事場のモデルとなった場所。外見からは分かりませんが、無数の引き出しが並ぶ店内は、釜爺がひょっこり現れそうなほどです。そのほかにも両親がブタになった居酒屋やボロボロになったハクが飛び込んでくる部屋、銭婆に会うために乗った電車など、似ている場所がいくつかあり、探しながら散策するのも楽しいでしょう。
【台湾】日本と中国の文化が溶け合う場所<九份>

台湾にある人気の観光スポット九份(きゅうふん)は、千と千尋の神隠しの舞台ではないかと噂されている場所。日本統治時代に建てられた建築物の多く、日本と中国の文化どちらの雰囲気も感じることができます。
石畳の路地や赤い提灯の連なるレトロな街並みは、映画の世界観そのものといった感じです。海外という異世界のなか、千尋になった気分で観光するのも楽しいのではないでしょうか。
橋本環奈さんがW主演で登場!今年は舞台も上映予定
東邦創立90周年記念作品として、千と千尋の神隠しの舞台化が決定!2022年3月~東京帝国劇場を皮切りに、大阪と福岡、札幌、名古屋で順次上演されることになっています。
演出を担当するのは、ミュージカル「レ・ミゼラブル」で潤色・演出を担当したジョン・ケアード氏。2017年に「ナイツ・テイル」のオーディションのため来日したジョン・ケアードが、宮崎駿監督へのリスペクトを口にしたことが、今回の舞台化のきっかけとなりました。
およそ半年間の長丁場になるため、重要な役はWキャストで演じられることになっています。
主人公千尋役を演じるのは、橋本環奈と上白石萌音のふたり。湯婆婆は、劇場版の声優でもある夏木マリも担当します。東京公演のチケットは、選考抽選エントリー日が12月7日~10日、一般前売開始が12月18日10:00~の予定。帝国劇場窓口での販売は12月19日からとなっています。油屋と化す劇場内で、千と千尋の神隠しの世界観を堪能できるチャンス、お見逃しなく!
千と千尋の世界観を体感してみよう
千と千尋の神隠しの世界観を体感できる場所は、国内外に見つけることができます。
本当にモデルとされているかはさておき、実際に足を運んで映画の世界観に通じるところを見つけるのも、楽しみ方のひとつでしょう。
さらに、2022年に上映される舞台では、映画の世界観をどのように表現されるのかも気になります。映画とはまた違った世界観から千と千尋の神隠しを堪能してみてはいかがでしょうか。
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